九州は佐賀県唐津に50年の味を守り続ける店があります。ラーメン屋「関東軒」。

店を守る現在の店主は子どもの頃からの「関東軒」のファン。

初代店主が店を閉めるという話を聞き、その味を守りたいと名乗り出で現在に至ります。

 

守り続けているのは「関東軒」の代名詞ともいえる支那そばです。

支那そばとは明治以降、関東で誕生した中華街で広まった麺類のこと。

いわばラーメンですが、当時は支那そばと呼ばれていました。

特徴は透き通った醤油ベースのスープと縮れた中華麺。

具材はシンプルで、あっさりした味わいが庶民の間で親しまれていました。

 

支那そばだけではなく、餃子をはじめとする一品料理もまた「関東軒」創業以来の味が守られています。

パリパリの皮とジューシーな餡が絶妙なコラボレーションを生み出す餃子も、

肩ロースを使用して作るこだわりのチャーシューが入った「焼きめし」もまた、

ラーメンと並ぶ人気メニュー。

その味を求めて多くの人たちが「関東軒」に通います。

 

そして、こだわりの製法も受け継がれています。

麺・スープ・チャーシューをはじめ、餃子の皮やタレ、ラー油など、

素材から料理に至るまで、そのほとんどが手仕込み。

手間暇をかけた丁寧な仕事で料理を提供するという初代店主の信条だったからです。

 

さて、味にも言及しましょう。

私がオーダーしたのは「支那そば」にこだわりのチャーシューをトッピングしたチャーシュー麺と人気の手作り餃子。

まずはスープから味わいます。

口に広がる味はどこか懐かしさを感じさせるもの。

あっさりしつつ、豚骨から取った透き通った出汁が、コクのある旨味を加えています。

 

麺は手打ちの中太のちぢれ平麺。口当たりは優しく、スルスルと喉を通っていきます。

そして肉肉しいに食べ応えのチャーシューが、優しい味にインパクトを加え、

全体のバランスを整えています。

思わず笑顔になるのを感じます。

餃子も評判通り。ラーメンと合わせることで、お互いがお互いの味を引き立てているようです。

守り続けられる伝統の味。ぜひ、味わってみてください。

 

［店名］　関東軒

［TEL］　0955-75-7154
［住所］　〒847-0074 佐賀県唐津市和多田先石4-2-8
［アクセス］　JR筑肥線「和多田駅」より徒歩1分
［営業時間］　11:00～21:00（L.O.20:30）
［定休日］　不定休
［ホームぺージ］　https://www.karatsu-kantouken.net/