今は全国どこにいても各地の名物が食べられる時代。

けれど、地元で食べる地の物に勝る味はありません。

ということでやってきたのは秋田県湯沢市にある居酒屋「心の味　慶　YOROKOBI」。

母と息子の二人三脚で営むお店で、いわば地元に根ざした居酒屋です。

 

提供するのは地元の人たちが昔から愛し続ける味。

観光地だからと言って奇をてらうことなく、湯沢の山海の幸を使って、

地元の人たちに愛される素朴な味をそのままに提供してくれます。

もちろん手抜きはなし。

一から引く出汁、確かな目利きで厳選した食材、そして丁寧な仕事は、

素朴でありながらワンランク上の味に仕上げます。

 

合わせるお酒は当然のように日本酒。

かつて多くの酒蔵が存在していた湯沢は日本酒造りで有名な土地。

今でこそ酒蔵は減ったものの、その伝統に変わりはなく、地酒の質の高さは折り紙付きです。

「心の味　慶　YOROKOBI」で用意しているのは湯沢の銘酒のみ。

それが湯沢の味であり、地元の食材を使った料理との相性が一番だからです。

 

さて、まずは「いぶりがっこ」を肴に日本酒で喉を潤します。

湯沢では日本酒を燗で飲むのが主流ですが、なんでも一級品の銘酒ではなく、

ワンランク下の安い日本酒を熱燗で楽しむのがツウの飲み方なのだとか。

 

試してみました。

湯気とともにふわっと立ち上る香り。

すっきりとした後味。なるほど勉強になりました。

 

喉が潤ったら、程よく煮えた「きりたんぽ鍋」に箸を伸ばします。

同じ秋田県内でも地域によって作り方が異なるそう。

「心の味　慶　YOROKOBI」は県南流の作りかた。

比内地鶏を油揚げ、野菜などの具材と煮たら、セリをたっぷりのせて、

うるち米を練ったきりたんぽを入れて出来上がり。思わず笑顔がこぼれます。

 

そして〆は湯沢が発祥の地である「稲庭うどん」。

「心の味　慶　YOROKOBI」おすすめの皿うどん風の「あんかけ稲庭揚げうどん」をいただきます。

バリバリの麺と野菜やキノコが入った餡がたっぷりとかかった逸品。

新しい味との出会いを楽しみました。

 

地元に根ざす居酒屋で味わう地元の味。

湯沢の味と湯沢の銘酒で過ごした夜は素敵な時間になりました。